直感と引っかかり 〜社長の判断どうすべき?
事業経営を行なっていく中で、社長は多くの判断を下し決断し実行に移していきます。
大小さまざまな判断を下していく中で、こんな経験ありませんか?
直感ではAプランだけど、
まわりの意見を尊重し論理的に考えればBプラン、、
だけどBプランはなんかしっくりこない、違和感がある・・・
とくに部下に仕事を任すとき、部下は絶対にBプランでやる気満々のときに
Aプランを推し進めていったら、部下がやる気を無くしてしまうのが見え見えの場合、どうするか?
私自身、事業経営時、大きなあやまちを犯した経験があります。
会社の業績が順調に推移し、株式上場の準備をしていたときでした。
上場の際に2期間の監査法人の監査と主幹事証券会社の指導を受けなければなりません。
当社は、ライブドア事件に関与していた監査法人、主幹事証券会社と、たまたま同じでしたので
上場直前期ではあったものの再度2期間監査し直さなければならなくなりました。
事件により内部統制、コンプライアンス等の基準がギチギチにきつくなり、上場する会社も極端に少なくなりました。
「既に上場している会社」は、管理がそれほど厳しく要求されなかったのですが、
「これから上場する会社」にとってはコンプライアンス、予算・実績のブレをなくす管理など非常にシビアな管理を要求されたわけです。
複数の大手VCや上場企業の社長等から出資を受けていたこともあり
大手上場企業の役員2名を迎入れ、管理の体制をしっかり整え、再度、上場準備に向かっていきました。
管理部門向けに上場企業から役員以外にも優秀な社員を5、6人採用し、立派な管理体制が構築されました。
そのとき私が直感的に感じていたことは
管理体制が営業よりも先行してしまい、今まで自社の強みであった自由闊達さがなくなってしまい、営業と管理のバランスが崩れ、まずいなと思ったこと。
振り返ってみると
あのとき管理体制の強化より、営業体制の再構築、新規事業を軌道に載せることが最重要課題でした。
もちろん営業面のさらなる強化のため新たな人材採用などを行なっていましたが、なかなか適任者が見つからない状況でした。いったん拡大路線を強引に休止してでも土台固めを行うべきだったと猛省しています。
このとき私にとって「直感は正しい!」でした。
このような大きな判断を要するときは
世界中の誰よりも”ド真剣”に会社経営を考えている社長の直感は正しいんだと思います。
もし、その直感がズレていたとしても、自分が心から信じた直感であれば
その後のリカバリーの行動にも力強さがともない結果的にいい方向に進んでいくでしょう。
とくに違和感のある判断は実行しない方がいいですね。
大きな教訓です。
先の部下に仕事を任すときにどうするか?
ですが・・・
もちろん社長の直感がいつも正しいとは限らないということもあるのですが
失敗しても大した損害に繋がらないのではあれば
人材育成の意味合いからも部下の提案を要所要所でアドバイスしながら受け入れることも重要だと思います。
仮に失敗しても、失敗からの学びは大きいですからね。
「企業は人なり」
部下が育って、企業も育ちます。
やってみなはれ!
チャレンジ精神は失わないように企業文化を創っていきたいものです。